長寿と生活習慣
医療法人ビハーラ 藤原胃腸科 藤原壽則
ラテン語の卵の白身に由来するアルブミンは、栄養分となるだけでなく、組織の水分を血管内に引き込んで浮腫を防ぐ働きもしている。
血色素(ヘモグロビン)は、赤血球の中にあって酸素と結びつき全身の組織に酸素を運ぶ働きをしている。
痩せている老人は、肺炎などの感染症で死亡することが多く、死亡率は、標準的なお年寄りの2倍も高くなる。
握力など、筋肉の強さが年をとっても衰えない人のほうが長寿を保てると言われている。
記憶には、新しい情報を頭に刻み付けること(記銘力)と、その記憶を保っておくこと(保持)、そして必要なときに思い出すこと(想起)の3つの要素がある。短期間の記憶は、このうちの記銘力に相当するもので、数秒前から1〜2分前のことを覚えておく能力のことを言う。
運動するお年寄りは、しない人に比べて、死亡率が約1/2と低くなっている、スポーツは長寿の値を高める手段ともなる。70歳の時点でスポーツの習慣のある人は、80歳になっても自立している。つまり、日常生活の中で手助けの必要のない人が多い。
喫煙は、心筋梗塞など血管系疾患、脳卒中、さらに癌の原因となり、現在、医師会を中心に禁煙キャンペーンが繰り広げられている。
お酒は、少量ならば、心筋梗塞などを防いで寿命を延ばす効果が期待できると言われている。動脈硬化を予防し、また血液を固まりやすくする物質が作られるのを防ぐ。さらにストレスがきっかけとなって起こる心臓発作をも予防すると言われている。 長寿に有効なアルコールの量としては、体重60kgの男性で、1日ビール1本、日本酒1合、ウイスキーシングル2杯までとされている。
社会活動に積極的に関わることである。70歳で職業、家庭内の役割、社会参加といった社会的活動の高い人ほど、80歳や85歳での自立度が高いことが分かっている。
牛乳を飲むことと長寿とは強い関連が見られるが、これは牛乳がバランスの優れた大変栄養価の高い食品であることを示している。
炒め物など、植物油、バターなどを使った料理を適度に食べることである。
70歳の老人の集団を追跡調査してみると、男性で206以上、女性で230以上とコレステロール値の高いグループの方が10年後の死亡率が低くなっている。総コレステロール値は、199〜230mg/dlぐらいの人が長生きをしているといえるようである。 コレステロールは、あまり値が高いと心筋梗塞の危険が高くなるが、逆に低すぎると肺炎などの感染症や脳卒中、癌などに罹患しやすくなる。
<参考・引用資料> 東京都老人総合研究所・柴田博:「長寿のための生活習慣」
ポコアポコさんと一緒に楽しく
グループホームルンビニー グループホームアショカ 施設長 相原あや子