症例
H.T氏 87歳 女性
現病歴:
1999年、物忘れを主訴としてK病院を受診し、アルツハイマー型認知症の診断を受け、定期受診し、塩酸ドネペジル(アリセプト)を服用していた。
2007年12月15日mK病院より紹介され、当院の物忘れ外来を受診する。
約1か月前から記憶障害(短期、近時、遠隔)、見当識障害(時、場所、人)が急速に進行し、意欲、関心の低下が進み、易怒性、興奮性がみとめられるようになった。数日来の急速な歩行障害の増強がみられる。
現症:
介護者(娘さん)が両手で誘導しながら診察室に入ってくる。歩行は極めて不安定で、小さな歩幅、すり足、前屈位で介護者に手を引かれての歩行である。
MMSE 9点、 NMスケール 11点
検査所見 一般血液、 ビタミンB12、 甲状腺機能に異常なく、 糖尿病、 高脂血症などの血管性危険因子を認めなかった。
頭部CT両側の脳表面に血腫を認め、両側の脳実質は高度に圧俳されている。
両側性硬膜下血腫の診断にてK病院脳神経外科へ紹介する。
硬膜下ドレイナージ施行、術後3日目より歩行障害は著名に改善し、自立歩行となる。
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