ルンビニーの皆様お元気ですか?認知症により、単身での生活が困難になった母を入居させて頂き、満93歳で老衰により、その最後の時を迎えるまで、5年間、24時間体制で、面倒を看ていただきまして、ありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。
私がルンビニーに初めてお伺いしたのは、施設オープン時の内覧会の時でした。この時はまだ、母に認知症の症状が出るなどとは思いもよらず、ただ素晴らしい施設ができたと思う程度でした。その後、藤原先生の運営するデイサービスに通っていた母に認知症の症状が出ました。私は、この時、母の訴えにどう対処したらよいのかわからず、県病院の痴ほう症に関する相談センターに行ったり、母のかかりつけの医者に相談したりしながらも、母に会うたびに母の言動に、イライラしていました。帰宅しても、家族に八つ当たりするような毎日でした。もの取られ現象に始まり、ガスの消し忘れによる鍋焦し、服薬忘れ等々の症状が進行し結果、精神科医から単身での生活は困難との診断が下されました。そして、事情があって、母と同居することができず、施設での介護をお願いすることになりました。
ルンビニーでは、よい思い出をたくさんつくって頂きました。母は、ドライブが好きで車に乗っていると、楽しそうでした。ドライブがてら、一緒に、四季折々の花を見に行きました。また、三津の外港や梅津寺、高浜の観光港によく海を見に行きました。施設の行事では、花見やイチゴ狩り、ぶどう狩り、盆踊りや花火大会、室内でのパン食い競争やそうめん流し(そうめんと一緒に母の大好きな果物も流れていました)、敬老の日やお誕生日のお祝い会、クリスマス会、3時のおやつ作り、正月の餅つき等々です。極めつけは、母の思いを大事にして頂いて、入居者の皆さんと私も一緒に、宮島に旅行できたことです。まさか、母に旅行ができるとは思ってもいませんでした。本当によい思い出になりました。
そのようにして時が流れていく中で、私の生活も安定したものに変わっていました。介護のために仕事を辞めることもなく、趣味の釣りにも出かけました。小旅行にも妻と出かけました。これは、ルンビニーの皆さんに母を看てもらっているという安心感と強い信頼感があったればこそだと思っております。
やがて90歳を超えた母は、徐々に、身体が弱ってきました。食べたり、飲んだりすることができなくなった時、ルンビニーの皆さんは何とか母に食べさせたいとの思いから、のど越しの良いプリンやゼリーなどの他、ミキサー食にするなどいろいろと創意工夫をしていただきました。また、水分補給のための点滴だけで、命をつなぎとめる状態になった時も、懸命に介護をして頂き、見守っていただきました。また、最後の時に向かって、その時々に適切な助言や相談を行って頂き、感謝しております。積極的な治療はせず、自然に任せるとの方針でおりましたが、そのことについて、やはり私は心は揺れました。本当にこの選択でよかったのかと。
入居者の皆さんの状態に応じて、生活の質を大切にし、安全で安心な生活のために、プロ意識に徹し、家族的な雰囲気の中で、真摯な態度で温かみのある介護を行っていただきました。お陰さまで、病気で入院することもなく、藤原先生や職員の皆様に最後の看取りまで行って頂きました。母に関わっていただいた職員の皆様が参集され、最後のお別れもしていただきました。本当にありがとうございました。改めて、心から厚く御礼申し上げます。(合掌)
平成25年6月 豊隆
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