認知症は予防できる
医療法人ビハーラ藤原胃腸科 藤原 壽則
久しく認知症は治療も予防もできない絶望的な病気とみなされてきた。しかし、近年の研究の進展によって、認知症予防の可能性を示唆する多くの結果が示されている。
アルツハイマー型認知症では、記憶障害などの症状が出る10〜20年も前から脳にゴミ(アミロイドβ)が溜まり、そのタンパク質の毒で神経細胞が障害されるとされています。このゴミが溜まらないようにする、あるいは溜まったゴミを取り除くことを目標に、治療薬や予防の研究が進められています。
これまでの研究により、修正可能な認知症の危険因子(それがあるために認知症になりやすいもの)が見出されてきました。修正できる危険因子として、喫煙、運動不足、肥満、高血圧、糖尿病、人的、社会的交流の欠如などが問題になっています。
魚と野菜主体のメニューをよく噛んで食べる。量は腹7分目くらい。ポリフェノールをたくさん含む野菜をとりワインを飲む。
地中海料理に代表される、魚や野菜中心のバランスのとれた食事はアルツハイマー型認知症、血管性認知症の予防に有効だとされています。
毎日30分以上運動(有酸素運動)をする。たばこは吸わない。野菜からビタミンを十分とる。高血圧、脂質異常症、糖尿病などはきちんと治療する。
「健やかに生きる」、「頭の老化を防ぐ」、「認知症を防ぐ」ための方法として実行していただきたいのです。もう一度、ご自分の日常生活を見つめなおして、将来に不安のない、希望の持てる生活設計を描いてみたいものです。脳の器質的変化から認知症の発症までには何年もかかり、時には数10年を要することから、認知症の予防は、若い世代から始めなければならないのです。
まさに「今でしょ」。 |