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認知症は、その原因となる病気となる病気によって、現れる病状や治療法も異なってきます。アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭葉変性症をはじめ、多くの病気があるといわれています。
約2年前に日付けや時間が分からなかったり、言葉が出にくくなり、言語障害と共に普段の生活に少しずつ変化がみられ始めた為、認知症状の進行防止と出来るだけ人との交流をしてほしいとの希望で、デイ利用を始められたBさん。
元来、温厚で物静か、仕事一途で外に出たり、人付き合いが苦手だった方ですが、その行動は今までと異なり、周囲の環境や人との調整が上手くできず、わが道を行く行動や同じ行動を繰り返したり、感情の起伏も見られるようになられました。
デイ利用には、毎回準備をされ笑顔で来られていましたが、ある日から突然、屋外へ走り出たり、何かを探すようにフロア内のドアを次々と開けて回られたり、視線が合わず、声かけにも全く反応されずに混乱した状態で歩き回られる行動がみられるようになりました。(ご自宅でも、ご家族の関わりに強い拒否がみられたり、対応に苦慮されて1日ドライブされたりと介護の負担が強くなっておられました。)
その後、前頭側頭葉型認知症と診断されたことで、Bさんへの支援内容を職員間で話し合い、その症状でもある常同行動や影響されやすさを利用して、ご本人の生活歴を参考に得意なものや趣味を取り入れ、(デイでの1日の流れとも合わせて)単純で視覚的に理解しやすい活動を選択しながら、場所や対応する職員を調整し、デイでの1日の流れを日課表として作成しました。その後は、ご本人にとって、より良い生活がパターン化するように、馴染みの居場所と静かな刺激の少ない環境での個別対応で、現在は落ち着いて過ごして頂けています。 |