8月30日、デイサービスセンタービハーラにおきまして、「認知症の予防」のテーマでフォーラムを開催しました。残暑厳しい中、約70名の方の参加がありました。
講演
「認知機能を向上していつまでも元気でいよう!」
聖カタリナ大学 人間健康福祉学部 教授 秋山昌江先生
先ずは人間の脳についてのお話です。私達の脳は両手のにぎりこぶしを合わせた大きさで、重さは体重の2%ですが、血流の20%が脳を流れている、つまり酸素の20%は脳で使用されているということです。
脳の細胞は20歳以降、1日に数十万個づつ減っていきますが、栄養が供給される限り、成長を止めることはない、というお話に、ほっとしたのは私だけではないのではないでしょうか。脳は使われる回路は強化され、使われないと退化するとのことです。
アルツハイマー病は、認知機能がまだ正常な状態から(20年30年も前から)アミロイド・βタンパクが脳にたまって進行するとのこと、長年の生活の積み重ねが大切というのは他の生活習慣病と同じなのですね。
そこで、認知症を防ぐ・認知機能を向上するには、ということで主に次の二点を先生は掲げられました。
@発症のリスクを少なくする
・生活習慣病の予防
・運動や食事
A脳の活性化を図る
・人との交流の大切さ
■生活習慣病の予防については、今回は省略する
■有酸素運動が効果ある
◆長めの散歩
・中年期から週2回以上、少し汗をかく程度の運動を20〜30分行うことで、20年後のアルツハイマー型認知症発症リスクが1/3に低減
★有酸素運動は全身的な老化予防効果がある
■食事による予防効果
◆ポリフエノールの力(ゴマ、大豆、ワインその他ほとんどの野菜果物に含まれる)
★ポリフエノールの中に、βタンパクの重合を阻害したり、分解する働きがある
◆ウコンにも注目(カレーはいいかも)
◆魚摂取の認知症予防効果は大きい
毎週魚を食べている人は、そうでない人に比べて、発症リスクは2/3に低減
★不飽和脂肪酸の、リノレン酸、DHA、EPA等は血液サラサラ効果がある
DHAには脳細胞の補修・維持の働きもある
◆奥歯でよく噛むことで神経細胞が元気になる
■人的交流の大切さ
社会とのつながり、人とのつながりが認知症予防に関わってくる
◆手紙を書く
◆電話をかける
◆友人や親せきを訪ねる
◆外出する
◆社交的である
◆一日3人以上の人と話をする
【最後の講義のスライドから】
認知機能の活性化
(山口晴保先生)
1.快の刺激と褒め合い
2.笑顔
3.諦めた瞬間から脳が委縮する
4.役割り、日課をもつ
5.前頭葉を使う
6.社会的接触
7.よく眠る
かいつまんで先生の講義内容をまとめました。会場の皆様に解りやすく語りかける様に
お話して頂き、「いいお話を聞けてよかった」と、多くの方がおっしゃっていました。
どんなことも続ける事が大事との先生のお話を肝に銘じ、コツコツ人生を共に歩みまし
ょう。
次回はフォーラム後半の、求聞持塾の紹介を行います。
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