| 厚生労働省の発表によれば、日本における認知症の患者数は462万人(2012年時点)で、団塊の世代が75歳になる2025年には700万人に達すると予測しています。同年の日本の人口は約1億2000万人と推計されていますので、総人口の約6パーセントが認知症という時代を迎えることとなります。さらに、認知症予備軍とされている軽度認知(MCI)は今日でも400万人いるとされ、すでに認知症になっている人と合わせると862万人となり、高齢者(65歳以上)4人に1人が認知症か認知症予備軍なのです。10年後には両者を合わせると1000万人を超えるでしょう。
本法人では、もの忘れ外来とともに、グループホーム、認知症デイサービスセンターを開設し、医療と介護の連携をはかってきました。さらに、2014年には、地域の認知症の人や家族、値域の人たち、専門職の人たちが気軽に集まって語り合う場として認知症カフェを開設しました。
本稿では、認知症患者増加の最大の原因のひとつが寿命の延びと考えられることから、我が国の人口動態と高齢者人口推移と認知症に関するデータを紹介したいと思います。
1)我が国の人口動態
最新のデータによれば、総人口12744万人で、年々11万人減少しています。現在、女性の平均出生率は1.4(出生率2.2で人口はコンスタントに保たれる)。これに対して高齢者人口は3186万人で、人口の25.0%を占め、年に112万人増加しています。平均寿命は男79.4歳、女性86.4歳と、世界一の長寿国となっています。 |