「ご主人の入っている施設はどんなところ?」と聞かれるたびに「介護甲子園で日本一になったところ」、「介護甲子園に毎年参加しているところ」と、まず答える。そして、まだまだ認知度の低い「介護甲子園」について説明する。
私と繋がりのある人の大半は「介護」が切実な生活課題になっているので、一足先に介護と向き合うことになった私の情報や体験に耳を傾けてくれ「どうしたらそこに入れるの?」とも聞かれる。
ルンビニーが9月14日幕張メッセで介護甲子園セミファイナルに出場する、宇都宮さんがみんなの思いを代表して発表する、と聞き応援に行くことを即座に決めた。
昨年のクリスマス会に焦点を当て、ルンビニーの日々の前向きな介護の取り組みは柔軟な発想や計画に基づいた実践であることがよく分かる発表だった。
駅でもらった「ウエルカム幕張」の真っ赤なうちわを振って、と思っていたが応援マナーで減点されたら困るので五藤さんと中央最前列で観戦した。「無事、終わりますように」と、トップバッターの宇都宮さんの着ていたTシャツの「みきゃん」だけを見ていた。宇都宮さんは発表内容とともに5事業所の中で一番落ち着いて堂々と発表を終え、私も嬉しい気持ちで会場を後にした。
ルンビニーでの宇都宮さんにはひょうひょうとしたイメージを持っていたが、今回「デキる男?」を目の当たりにしたので今まで何度か「将来、理想の介護を実現させるマネージメントを目指してください」と私が言っていたことは案外、的外れではなかったと思っている。
五藤さんには、よろず相談を一手に引き受けてもらっている。家族としてのかかわり方を模索するためのヒントを沢山もらい「夫への向き合い方を変えなればならない」ことに気づかせてくれ、1年が過ぎたころ私の中に介護の受け止め方がステップアップした感覚が生まれた。
介護甲子園と同時に開催されていた介護・看護EXPOでは、介護最前線の情報が溢れており「みんなの認知症情報学会」のブースで、思いがけなく「ユマニチュードミニ講座・ワークショップ」に参加できたことが一番の収穫だった。近い将来の自分の被介護者生活を思うと介護保険制度ありきで、いきなりの「公助」には抵抗がある。「自助・互助・共助・公助」がそれぞれの段階ごとに成熟した地域社会を構築することが先決だと前々から考えている。このことのネットワークづくりができそうな新しい学会だった。充実した施設・設備や会場で見たり体験したAI・IT中心の最新機器やシステムは、その前提として資格だけでは評価できない介護従事者の「心が機能する環境」で活用することが「ヒトを介護すること」であり、私はそのような介護を受けたいと改めて思った。
私は、夫の在宅介護7年・施設介護3年目のいろいろな反省を踏まえて「人生最終章を自分の意思でデザインしよう」と決めて以来、忙しい毎日だけれど自分で課したストレスは楽しさや自己満足ではあるが充実感に変わることを実感している。夫のおかげでルンビニーと繋がり、職員はもちろん入居者とも友達、顔見知りになったと勝手に思っている。