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グループホーム「ルンビニー」と仏教的癒し
管理者 相原あや子
医療・福祉の場、殊に高齢者の医療・福祉では、身体的ケアと共に「心のケア」が重要です。
当グループホームでは、我が国の長い歴史で常に命や死と関わってきた仏教による心の「癒し」を導入しています。
十三仏の掛け軸を掛け、「観音さん」をまつった居間では、入所者のみなさんが何時でもお祈りできます。
現在4人の僧侶たちが、入所者たちとの対話、カウンセリンなどにあたってくれています。
お年寄りたちが合掌して僧侶と一緒にお経を唱え、僧侶に話し掛け訴えています。僧侶たちは一人一人の話し掛けに対して、「うん」、「うん」とやさしくうなずきながら耳を傾けています。
Nさん(女性 81歳)は朝・昼・夕と欠かさず1日3回、居間に座って心経を唱えています。合掌して無心に唱えるNさんの顔は輝いて見えます。
Iさん(女性 81歳)は入所以来、「お里へ帰る」と言っては目に涙する日が続きました。このIさんが居間でみなさんと一緒に心経を唱え会話を持った時、はじめて笑顔を見せてくれました。
なお、ホームでは「癒し」にあたっていただく僧侶の方々は、宗派を超えて「高齢者福祉への取り組み」を志す方たちです。宗教への入信を勧めることなどはありません。
僧侶の方々と一緒に、生きていることの有難さ、尊さを噛み締める日々を送りたいものです。
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